【国立映画アーカイブ】ユネスコ「世界視聴覚遺産の日」記念 WEBサイト「荻野茂二 小型映画の巨人 【プレオープンサイト】」開設のお知らせ
国立映画アーカイブでは、本年のユネスコ「世界視聴覚遺産の日」(10月27日)を記念し、2026年10月22日(木)16:00より、動画配信サイト「荻野茂二 小型映画の巨人【プレオープンサイト】」を公開する運びとなりました。
35㎜より幅の狭いフィルムフォーマットの映画を意味する「小型映画」は、今から100年以上前に登場し、映画作りの裾野を一般の人々へと広げました。1920年代後半から映画作りを始めた荻野茂二(1899-1991)は50年以上にわたって活動を続け、戦前から国内外の数々のコンクールに入賞し、戦後には自ら主宰した教室で後継者の育成にも携わるなど、アマチュア映画界を代表する人物の一人になりました。その没後、ご遺族から東京国立近代美術館フィルムセンター(現・国立映画アーカイブ)に寄贈された大量のフィルムは大きな驚きをもって迎えられ、現在では小型映画の歴史を検証する上で軸となる重要なコレクションとなっています。
ビデオカメラやスマートフォンなど身近な動画制作ツールの起源とも呼ぶべき小型映画の登場によって実現した個人の映像メディアとしての映画は、何を写し、何を表現したのか。映画作りの自由と愉しみを追求した小型映画の巨人・荻野茂二の作品を通して、我が国の映像文化の豊かな広がりを御覧下さい。【2027年3月開設の本サイトでは100本以上の荻野作品を公開予定】
サイトのみどころ
映画をみる
5つの作品を先行公開します。50年以上にわたる創作活動の中で多様なテーマを独自の映像表現でまとめ上げた荻野茂二の作品世界をひと足早くお楽しみください。
資料をみる
国立映画アーカイブでは荻野茂二の作品のフィルムとともに様々な関連資料を所蔵しています。その中からフィルム缶、中間字幕素材、機材、作品を出品したコンテストの賞状やメダルなど、映画作りの歩みを伝える資料のほか、小型映画を作り始める前から取り組んでいた写真など、荻野の創作の軌跡を伝える資料をご紹介します。
公開コンテンツのご紹介
公開作品
近代都市東京の一日を実験的に描き出した作品で、ヴァルター・ルットマン『伯林-大都会交響楽』(1927年)の影響が認められる。本作を特徴づける際立った多重露出の多用など、「露出の神様」と言われた荻野の撮影技術とパテベビーカメラの機構への深い理解と現像の巧みさが示されている。
物事の始まりから終わりまでの過程を描き出した「出来る迄映画」という小型映画では多く作られたジャンルの1本。帯締め、足袋、扇子、着物といった和装品の出来る迄に加えて、最後にそれらをまとめて何が出来るかを描いたユニークな一篇。
海辺の家から電車に乗って箱根へ登山した夏の一日の記録。機転を利かせたアイデアが随所にちりばめられており、登山を楽しむ親子の姿をユーモアたっぷりに描いている。
1882年に開業した東京馬車鉄道の紹介に始まり、1911年から1971年までの60年の都電の歴史を写真と実写で辿った作品。巣鴨駅前に都電の軌道が敷設された際の様子は、荻野の過去の作品のフッテージが用いられており、小型映画で長いキャリアを持つ荻野ならではの作品に仕上がっている。
霞ヶ浦近郊とその土地に生きる人々の営みを詩的に描き出した作品。荻野はこの地域にくり返し足を運んでいた。水を好んでテーマにした荻野は、本作でも多彩な水の表情を印象的に描き出している。
公開資料
⑥パテ・ベビー撮影機を構える荻野茂二
⑦『街』(1930年)9.5㎜フィルム缶
⑧荻野茂二旧蔵 パテ・ベビー映写機
⑨第1回ハンガリー国際アマチュア短編映画コンクール 8㎜部門 2等賞メダル(1935年)
概要
・サイト名:荻野茂二 小型映画の巨人 【プレオープンサイト】
・URL:https://oginoshigeji.filmarchives.jp
・制作:国立映画アーカイブ、国立情報学研究所
・公開日:2026年10月22日(木)16:00