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「Weaving Time: NUNO - 伝統と革新のテキスタイル」開幕

テキスタイルデザイナーの須藤玲子が率いるNUNOの展覧会「Weaving Time: NUNO ―伝統と革新のテキスタイル」(Weaving Time: NUNO – Textiles of Tradition and Transformation、以下本展)が、米国オレゴン州のポートランド日本庭園(Portland Japanese Garden)にて、2026年10月3日(土)に開幕しました。会期は2027年2月14日(日)までです。


本展の会場となるポートランド日本庭園は、全米屈指の日本庭園であり、日本文化の発信拠点としても知られています。本展では、園内の2つのギャラリーを舞台に、日本各地のつくり手との協働から生まれるNUNOのテキスタイルを、その空間表現とともに紹介します。「パビリオン・ギャラリー」では、NUNOとwe+の協働によるインスタレーション作品《NUNO Cubes》(NUNOキューブ)を、日本の8つの染織産地に焦点を当てた新ヴァージョンとして発表。また、「カルビン&メイホー・タナベ・ギャラリー」では、熟練の木工職人・戸沢忠蔵との協働により、伝統的な屏風に着想を得た新作《NUNO Byobu》(NUNO屏風)を披露しています。なお本展全体の空間デザインは、たしろまさふみが手がけました。

開幕にあわせて、オープニングレセプションのほか、庭園のパトロンに向けたアーティストトークや講演会を開催。展示と対話を通じて、NUNOの革新的な布づくりを、その背景にある日本の染織文化とともに紹介しました。

ポートランドを訪れる機会がございましたら、ぜひ本展に足をお運びください。ポートランドの光や風、自然環境と出会うNUNOのテキスタイルを、四季折々の美しさを湛える日本庭園の散策とともにお楽しみいただけます。

we+が展示デザインを手がける《NUNO Cubes》
8つの産地に焦点を当てた新ヴァージョンを披露

《NUNO Cubes》は、1メートル四方のフレームにNUNOのテキスタイルを纏わせた立体が、緩やかに宙を舞うインスタレーション作品です。展示デザインをwe+が担当し、2021年に東京・六本木のAXISギャラリーで開催された展示「nuno nuno」を皮切りに、その後、京都、秋田など各地を巡回してきました。

本展では新たな試みとして、日本の8つの染織産地(山形県、群馬県、埼玉県、山梨県、福井県、滋賀県、京都府、福岡県)に焦点を当てています。それぞれのキューブが各産地でつくられた6種類のテキスタイルを纏い、計48種類のテキスタイルで展示を構成しています。

NUNOのデザインの多くは、産地に根付く素材や技法、制作工程にじっくりと目を向けることから始まります。職人との対話や実験を重ね、受け継がれてきた手法に新たな技術や思いがけない素材、これまで見過ごされてきた資源を組み合わせることで、布の可能性を広げてきました。こうした協働は、職人たちに新たな創造への挑戦をもたらし、地域の染織産業の未来を切り開く力にもなっています。

会場では、パノラマティクス主宰の齋藤精一と映像ディレクターの本間無量(Abstract Engine)による映像を通じて、布づくりを支える人々や産地の制作現場も紹介。また、実際に手で触れられるテキスタイルサンプルを展示し、布の質感や織りの違いを確かめながら、布づくりの背景に触れていただけます。

テキスタイルと竹で空間をつなぐ新作《NUNO Byobu》

古来、屏風は室内を仕切りながら、人の動きや活動に応じて空間を柔軟に変化させる建具として用いられてきました。新作《NUNO Byobu》は、その役割を現代のテキスタイルと竹のフレームによって再解釈するものです。

本作では、ポートランドに潤いをもたらす雨に着想を得て、「雨」をテーマとした透け感のある布地を採用。軽くしなやかな竹のフレームと、細部まで精緻に仕上げられたディテールは、木に対する深い知識と卓越した技術を持つヒノキ工芸の戸沢忠蔵との協働により実現しました。布とフレームが一体となり、「内と外」や「人工と自然」を穏やかにつなぐ、軽やかな境界を生み出しています。

布越しに届く光や、通り過ぎる人のシルエットは、空間に移ろう表情をもたらします。すべてを見せず、その向こうの気配を感じさせる表現には、日本の美意識「幽玄」を呼び起こす意図が込められています。

豊富な資料を交え、NUNOの布づくりをひもとくアーティストトークを開催

開幕にあわせて開催したアーティストトークでは、須藤玲子がデザイン画や原材料、道具、モックアップなどを示しながら、伝統的な技術や素材に独自の発想を重ね、革新的な布を生み出すNUNOのものづくりを紹介しました。会場からは多くの質問が寄せられ、NUNO独自のクリエイションと、それを支える日本の染織文化への関心の高さがうかがえました。

ポートランド日本庭園(Portland Japanese Garden)
第二次世界大戦後の日米の相互理解を深め、平和を育む場として1963年に設立。オレゴン州ポートランドのワシントンパーク内に位置し、12.5エーカー(東京ドームとほぼ同規模)の敷地に8つの異なる様式の庭園を有します。「調和と平和を育む」を使命に掲げ、年間約43万人・世界90カ国以上からの来訪者を迎える北米有数の日本文化の発信拠点です。四季折々の自然と静寂の中で心を整える場を提供するとともに、展覧会や文化プログラムを通じて日本の芸術・工芸・美意識を紹介。自然と建築、アートが響き合い、日本文化の今と伝統が交差する場として多様な文化交流を行っています。

プロフィール

展覧会概要

展覧会名:Weaving Time: NUNO ― 伝統と革新のテキスタイル

英文正式名:Weaving Time: NUNO – Textiles of Tradition and Transformation

会期:2026年10月3日(土)~2027年2月14日(日)

会場:ポートランド日本庭園(パビリオン・ギャラリー、カルビン&メイホー・タナベ・ギャラリー)

所在地:611 SW Kingston Avenue, Portland, OR 97205, USA

入場:庭園の入園料に含まれます

公式サイト:https://japanesegarden.org/pjg-events/weaving-time-nuno-textiles-of-tradition-and-transformation/2026-10-03/

展覧会関係者クレジット

テキスタイルデザイン:株式会社 布|須藤玲子、下田小百合、上野和広、安井裕美、真柴純、増井岳、一松岳、高重織衣、三樹祐子、戸部珠海

展覧会コンセプト・企画:たしろまさふみ / 株式会社 布|須藤玲子、増井岳

パビリオン展示デザイン:we+|林登志也、安藤北斗

カルビン&メイホー・タナベ・ギャラリー展示・屏風デザイン:たしろまさふみ

グラフィックデザイン:庄司達郎

映像制作:Panoramatiks|齋藤精一、本間無量(Abstract Engine)

屏風製作:ヒノキ工芸|戸沢忠蔵、山田理江 / 株式会社 布|増井岳

協賛:

The Schnitzer Care Foundation

国際交流基金(The Japan Foundation)

Toshiba International Foundation

James F. and Marion L. Miller Foundation

Catherine and Taisuke Sasanuma

David Sneider and Naomi Pollock

Ferguson Wellman Capital Management