文京学院大学オピニオンレター Vol.35 「2026年イラン戦争の失敗――パンドラの箱を開けたトランプ大統領とネタニヤフ首相」を発行
文京学院大学(学長:福井勉)は、ヒューマン・データサイエンス学部 貫井万里准教授が執筆した、オピニオンレターVol.35「2026年イラン戦争の失敗――パンドラの箱を開けたトランプ大統領とネタニヤフ首相」を発行したことをお知らせいたします。
● 米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃について、核・ミサイル能力の破壊や体制転換という目的を達成できず、周辺諸国を巻き込む地域戦争へ拡大したと貫井准教授は分析する。
● イスラエルでは開戦直後に82%が戦争を支持した一方、8月公表の別の設問による調査では軍事介入に慎重な意見が計55%を占めた。米国でも、9月の調査で戦争が「コストに見合う」と評価した人は25%にとどまった。
● 紛争の焦点が核・ミサイル能力の管理からホルムズ海峡の安全な航行へ移っていると分析。今後も「戦争と交渉が併存する状態」が続く可能性を指摘し、海峡閉鎖問題の解決を戦争終結の糸口として位置づける。
本学では、教員陣の最先端の研究から社会に還元すべき情報を「オピニオンレター」として発行しています。この度発行するVol.35では、貫井万里准教授が、2026年2月28日に始まった「イラン戦争」の経緯と影響を、米国・イスラエルの世論調査やイラン国内の動向を伝える現地報道などをもとに考察します。
本文では、開戦の背景として、米国世論のイスラエル離れ、ネタニヤフ首相の国内政治上の事情、イラン国内の大規模反政府運動を挙げています。また、戦争が当初の目的を達成できない一方、イランではより強硬な革命防衛隊が政治の実権を握り、ホルムズ海峡閉鎖が新たな抑止手段となったと分析しています。
今後は「戦争と交渉が併存する状態」が続く可能性を指摘し、ホルムズ海峡の安全な航行の回復が戦争終結の糸口となり得ると論じています。物流やエネルギー安全保障への影響を通じて、中東の平和と安定が私たちの生活にも直結することを考える内容です。
〇オピニオンレター https://www.bgu.ac.jp/about/activity/opinion_letter/
提言者プロフィール
ヒューマン・データサイエンス学部 貫井万里 准教授
専門:イランを中心とする中東地域研究(政治、文化、社会、歴史) 比較文化、異文化理解、社会運動論
慶應義塾大学大学院文学研究科史学科(東洋史専攻)博士課程単位取得退学。在イラン日本国大使館専門調査員、国際交流基金日本研究・知的交流部欧州・中東・アフリカ専門員、在シリア日本国大使館専門調査員、早稲田イスラーム地域研究機構研究助手、九州大学大学院法学府非常勤講師、法政大学GISグローバル教養学部非常勤講師を経て現職。