アーサー・ディ・リトル、革新的な再生医療への患者アクセス向上を支えるエコシステムの確立に向けた政策提言を発表
アーサー・ディ・リトル・ジャパン株式会社(本社:東京都港区、日本代表:祖父江謙介、以下「ADL」)は、ホワイトペーパー「革新的な再生医療への患者アクセス向上を支えるエコシステムの確立― 戦略産業化に向けた官民投資と制度基盤の在り方―」を発表いたしました。本ホワイトペーパーは、学術有識者監修の下、ADLが、日本における再生医療の患者アクセス向上及び産業発展に向けて必要となる政策の方向性について検討し、その成果を取りまとめたものです。
■エグゼクティブサマリー
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再生医療等製品は、従来治療では困難であった重篤な疾患の治療や、長期的な治療効果を実現しうる。しかし、日本における再生医療等製品の人口当たり投与数は、現状、欧州主要国(フランス・ドイツ)の40%程度にとどまり、外部環境変化によって患者アクセスの格差はさらに拡大する懸念がある。加えて、国内供給品の多くが海外製造に依存しており、国内製造産業における事業機会の逸失や海外への資金流出、経済安全保障上のリスクが課題となっている。
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今後、開発・製造のみならず商業化含めた支援政策を行うことで日本の再生医療エコシステムは発展し、2035年には欧州主要国と同水準の患者アクセスが実現される。また国内CDMO含むサプライチェーン上企業への経済波及効果を含めると約1兆円規模の産業となり、経済安全保障の強化や、地方創生にも貢献する。
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支援政策による再生医療等製品の投与拡大に伴い、2035年には、従来治療を行う場合と比較して医療費支出が約900億円増加する。一方、再生医療エコシステムの発展及び患者の再就労に伴う税収・社会保険料収入は約1,000億円に達し、医療費支出の増加分を上回ることから、医療保険財政等の収支はプラスとなる。
【日本の再生医療エコシステムの現状】
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再生医療等製品は、単回又は少数回の投与で長期寛解、機能回復、治療不要期間等を実現し得る。患者・家族の苦痛や負担を軽減するほか、医療・介護費や生産性損失の抑制にもつながる。
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日本は、iPS細胞等の基礎研究、柔軟な規制制度、高度なバイオものづくり基盤を有する。2026年7月21日閣議決定の政府戦略でも、戦略17分野の「創薬・先端医療」「合成生物学・バイオ」において、バイオ医薬品・再生医療等製品等が主要な製品・技術に位置づけられている。
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一方、欧米に比べて再生医療エコシステムは未成熟で、患者アクセスも限定的である。
図1 再生医療エコシステム確立における日本の現状
【適切な政策推進による患者アクセス向上・産業育成】
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本ホワイトペーパーでは、基礎研究、臨床開発、製造、承認、商業化を支える政策が、「患者アクセスの向上」と「再生医療・関連産業の成長」に与える影響を定量分析した。
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バリューチェーン全体に必要な政策を実施すれば、ドラッグラグ・ロスの解消と投与拡大が進み、2035年には患者アクセスが欧州主要国と同水準に達し、開発品数も大幅に増加する。
図2 患者アクセス向上へのインパクト
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加えて、再生医療エコシステム内企業による年間売上総和は、現状推計約1,100億円に対して2035年は約9,400億円と、再生医療及び関連産業は1兆円規模の産業になることが見込まれる。
図3 産業成長へのインパクト
【医療費負担としての許容可能性】
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再生医療等製品は一般的に、従来治療と比較し1回投与あたりの薬剤費用が高額であるが、投与回数・治療期間の違いも考慮すると再生医療等製品の医療費が必ずしも従来治療と比較し高額になるわけではない。
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再生医療エコシステム内企業・雇用者や、再生医療により再就労可能となった患者からの税収(法人税・所得税・住民税・消費税)及び社会保険料収入を医療費負担増加に対するリターンと捉え医療費負担額から控除し純財政影響を試算すると、保険財政等の収支はプラスとなる。
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従来治療に対して財政負担が増加することなく、小児・若年層含む年間約13,000人もの重篤な疾患に苦しむ患者が、長期寛解や機能回復等が期待できる革新的治療を受けられるという価値に鑑みると、再生医療を推進する政策は、社会にとって許容可能かつ意義深い取り組みであるといえる。
図4 医療費負担としての許容可能性
【政策提言】
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再生医療エコシステムの確立は、国民の健康増進に寄与するのみならず、地方創生含む経済的波及効果を日本国内にもたらし、経済安全保障強化にも貢献しうる。
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「患者アクセスの向上」「再生医療及び関連産業の成長」のインパクトを最大化するためにはバリューチェーン横断的な支援が必要だが、特に影響力が大きい、商業化を支える政策を再生医療エコシステム構築に向けた政策の中核として位置づけ、優先的に支援を強化することを提案する。
図5 政策提言
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【ADL主要著者紹介】
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*本ホワイトペーパーは、ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社(Bristol-Myers Squibb K.K.)の協賛により作成されました。著者はアーサー・ディ・リトルの社員であり、監修者は日本の大学に所属する独立した研究者です。ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社は、本ホワイトペーパーにおける分析及び結論の策定に関与していません。本ホワイトペーパーに示された分析、結論及び提言については、著者が責任を負っています。
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