PR TIMES

井上樹彦会長 10月定例会見冒頭発言

本日行われたNHK会長定例記者会見で、井上樹彦会長が以下の通り、所感を述べましたのでお知らせします。

今月6日、稲葉延雄前会長がご逝去されました。生前のご厚誼に対し、衷心より哀悼の意を表します。

稲葉前会長は、令和5年に会長に就任され、公共メディアに向けた経営基盤の強化や組織の改革に不退転の決意で臨まれました。日本銀行や民間企業で培われた卓越した見識と強い責任感をもって、対外的な説明責任を果たす「アカウンタブル経営」を推進されるなど、激動期におけるNHKの重要な舵取りを担ってくださいました。

去年5月にガンであることを公表されてからも、闘病を続けながら、会長としての任期を全うされたお姿を偲びますとともに、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

去年10月にスタートした「NHK ONE」は、この10月で1周年を迎えました。今月からは番組配信アプリの名称も「NHK ONE」に統一し、より分かりやすく使いやすいサービスへの改善を進めております。

そして今週、さらなるサービス向上のため、「NHK ONE」内に新たに「NHK ONE教養」サイトをオープンいたしました。これまでの「報道・防災」「教育」「医療・健康」「福祉」などに加え、新たに「教養」を大きな柱として位置付けます。

初年度は「歴史」「自然」「戦争と平和」の3ジャンルを対象に、およそ20シリーズの番組関連情報を提供いたします。過去の番組のエッセンスを切り出した5分から15分程度のクリップ動画などを通じて、教養番組が長年培ってきた体系的な価値をお届けしてまいります。

具体的には、歴史番組では「歴史探偵」や「映像の世紀 バタフライエフェクト」、過去番組の「歴史秘話ヒストリア」、自然番組では「ダーウィンが来た!」や「さわやか自然百景」、戦争と平和に関しては「NHKスペシャル」の関連シリーズなどを予定しております。

情報があふれる時代だからこそ、単なる目先の情報消費にとどまらず、今や未来を理解するための思考の土台として、教養コンテンツの価値をネット上でも届けてまいりたいと考えております。

昨日20日、JAXAの火星衛星探査機「MMX」が、種子島宇宙センターからH3ロケットで打ち上げられ、予定どおり火星へ向かう軌道に投入されて打ち上げは成功しました。長年にわたって準備を進めてこられた関係者の皆さまの思いが結実し、歴史的なミッションが無事に第一歩を踏み出したことを大変うれしく思うと同時に、深く感謝申し上げます。

「MMX」は、火星の衛星である「フォボス」と「ダイモス」を観測し、フォボスの表層物質を採取して地球へ持ち帰ることを目指す探査計画です。

この探査機には、NHKがJAXAと共同開発した「8K・4Kスーパーハイビジョンカメラ」が搭載されております。火星や衛星フォボスへの降下・着陸など、探査の様子を超高精細な映像で記録することを目指しています。

NHKは過去にも、月探査機「かぐや」による撮影など、高い放送技術を生かして最先端の宇宙の姿をお届けしてきた歴史があります。今回撮影される映像や画像も、ニュースや番組などを通じて視聴者の皆さまにお届けするとともに、学術・教育分野へ広く還元してまいりたいと考えております。

ミッションはこれから長期間にわたりますが、今後の探査が着実に進み、火星圏の新たな姿が届けられることを心より期待しております。

※質疑応答を含む会見全体の要旨は後日、NHKホームページに掲載します。