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日本社会に蔓延する「専門家依存症」という病『なぜ「まちがえた」と言えないのか』10月21日発売

株式会社東洋経済新報社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:山田徹也)は、評論家の與那覇潤氏による新著、『なぜ「まちがえた」と言えないのか』を2026年10月21日に発売いたします。

2020年以降のコロナ禍、そしてウクライナ戦争――。メディアでは連日「専門家」たちが出演して自らの見解を語り、SNS上でも強い影響力を持ちました。

しかし、予測が後から「まちがい」であったとわかっても、反省を語り訂正する識者はほとんどいませんでした。そして国民もまた、その誤りには不思議なほど寛容なまま、次々と新たな専門家を消費し続けています。なぜ、日本社会は自ら考えて責任をとることを放棄し、専門家に思考を「アウトソーシング」し続けるようになってしまったのか?

本書では、現代の日本社会に蔓延する「専門家依存症」という病を、評論家の與那覇潤氏が解き明かします。他人に選択の責任を押しつけず、もう一度「歴史の当事者」として自分の足で立つための一冊です。

社会が今までに経験したことのないウイルスにおびえる中で、専門家が実質的な意思決定を行いながらも、失敗したときの責任を問われるのは専門家ではなく政治家――。著者は、コロナ禍の日本におけるいびつな構造を指摘します。

失敗が明らかになっても、専門家は「あくまで助言しただけ」、政治家は「科学の知見に従ったまで」と言い張れば、自身の責任を感じずにすむ。彼らと渾然一体の境地で危機を乗り切った国民も、なんとはなしにうやむやにする。

(中略)

新型コロナは世界共通の課題だったが、この「無責任の構造」は日本に固有のものだ。

(第2章「暴走する自然科学」より)

この「専門家依存」の構造は、2022年に始まったウクライナ戦争でも繰り返されました。欧米に同調した「ロシアを徹底的に叩きのめす」という意見が目立ち、少しでも異なるような見解はバッシングを受けるようになりました。白黒をつけ、曖昧な意見を許容しない「思考停止」の空気が、いかに社会を危険な方向に導くのか。著者は警告します。

戦争はひとたび始まると、社会に曖昧さを許容しなくなる。二者択一で「おまえはどちらの味方か?」への回答を迫り、正しい(とされる)側が勝つまで「いっさい妥協するな。あらゆる戦力を極限まで投入しろ」と煽る立場が国策になってゆく。

(中略)

いや、かつて体験した「ぼくたちの戦争」に照らすなら、むしろこう言わなければならない。

曖昧さを許さない社会こそが、戦争を始めるのだと。

(第3章「機能しない社会科学」より)

専門家すらSNSでの「いいね」に踊らされることもある現代。誰かが作り上げた「正解」に思考を丸投げするだけでは、次の危機でも同じ過ちを繰り返してしまいます。自分自身の主体性を取り戻すため、著者は最後にこう投げかけています。

決めるのは、読者であるあなただ。ぜひ本書を閉じたなら、もう専門家など恐れずに、あなた自身の言葉で感じたことを発してほしい。そうした声のひとつひとつに、この世界が楽園と植民地のどちらになるのかが、いま賭けられている。

(第5章「『答えのない時代』はいつ始まり、これからどう生きるのか」より)

書籍の「まえがき」をメディアプラットフォーム「note」で無料で公開中です。ぜひお読みください。

https://note.com/toyokeizai_book/n/n5a13d2de0d04

與那覇 潤(よなは じゅん)

1979年、神奈川県生まれ。歴史家・評論家。東京大学大学院博士課程修了、博士(学術)。専門は日本近現代史。2007年から地方公立大学で准教授を務め、重度のうつによる休職を経て17年に離職、以降も在野で同時代史の発信を続けている。20年、斎藤環氏との共著『心を病んだらいけないの?』(新潮選書)で小林秀雄賞受賞。ほか『中国化する日本』『知性は死なない』(ともに文春文庫)、『平成史』『江藤淳と加藤典洋』(ともに文藝春秋)など、話題書多数。

なぜ「まちがえた」と言えないのか/與那覇 潤著

定価:1,980円(税込)

発売日 :‎ 2026年10月21日

ISBN‏ :‎ 978-4-492-04859-7

体裁 ‏:‎ 四六判/並製/314頁

発行元:株式会社東洋経済新報社

東洋経済ストアサイト:https://str.toyokeizai.net/books/9784492048597/

Amazonページ:https://www.amazon.co.jp/dp/4492048596