グリーンイノベーション基金事業「廃棄物・資源循環分野におけるカーボンニュートラル実現/高効率熱分解処理施設の大規模実証」で新たに研究テーマを採択しました
NEDOは、グリーンイノベーション基金事業「廃棄物・資源循環分野におけるカーボンニュートラル実現」プロジェクト(以下、本プロジェクト)で、「高効率熱分解処理施設の大規模実証」において、新たに1件の研究テーマを採択しました。
NEDOは今回の採択テーマにより、廃棄物熱分解ガスを化学品原料製造に最適な原料ガスへ転換する技術を開発します。また、大規模スケールで、廃プラスチックから一般廃棄物までの広範な廃棄物から外部水素(H2)を使用せず化学品原料を製造する、全体最適化されたケミカルリサイクルシステムを開発することで、廃棄物熱分解ガス化処理設備の早期社会実装を目指します。
1.グリーンイノベーション基金事業について
日本政府は2020年10月に「2050年カーボンニュートラル」を宣言し、2050年までに温室効果ガス(GHG)の排出量を全体としてゼロにする目標を掲げました。この目標は従来の政府方針を大幅に前倒しするものであり、実現するにはエネルギー・産業分野の構造転換や大胆な投資によるイノベーションなど現行の取り組みを大きく加速させる必要があります。このため、経済産業省はNEDOに総額2兆円の基金を造成し、官民で野心的かつ具体的な目標を共有した上で、これに経営課題として取り組む企業などを研究開発・実証から社会実装まで最長10年間継続して支援するグリーンイノベーション基金事業(以下、本基金事業)を立ち上げました。本基金事業はグリーン成長戦略※1で実行計画を策定している重点分野、または「GX実現に向けた基本方針※2」に基づく今後の道行きが示されている主要分野を支援対象としています。また、令和4年度第2次補正予算により3000億円が積み増しされており、令和5年度当初予算により4564億円が積み増しされました。
なお、NEDOは本基金事業の取り組みや関連技術の動向などをわかりやすく伝えていくために、「グリーンイノベーション基金事業 特設サイト※3」を公開しています。
2.本プロジェクトの背景
廃棄物分野から排出されるGHGは、世界および日本全体の排出量のうち約3%です。このうち日本では廃棄物の焼却など(単純焼却および熱回収・原燃料利用)に伴うものが約8割を占めています。カーボンニュートラルに向けて3Rのさらなる推進が図られても、最終処分量の削減、埋め立てからのメタン発生の抑制、感染性・有害性廃棄物の適正処理などの観点から、熱処理(焼却処理や熱分解処理)は必要であり、それに伴うGHGが排出されます。
世界では、廃棄物の発生量が増加し、埋め立て処分やオープンダンプにより大量のメタンが発生していますが、その発生抑制や衛生処理の観点から、欧州、アジアを中心として、焼却などが普及しつつあります。
このため、本プロジェクトでは、廃棄物処理によるGHG排出実質ゼロを目指し、廃棄物中の炭素を安定的かつ効率的に回収して資源として産業に循環・供給する「カーボンニュートラル型炭素循環プラント(CN型炭素循環プラント)」実現のための技術開発・実証を行い、社会実装モデルの創出を目指します。
これにより、廃棄物・資源循環分野のカーボンニュートラル化に貢献するだけでなく、廃棄物中のバイオマス由来炭素の利用により他分野における排出削減にも寄与し得ます。また、日本企業の国際競争力(技術面・コスト面)を維持し、一層のシェア拡大や新たな市場の確保を図ります。
そこでこの度、グリーン電力の普及促進等分野ワーキンググループの審議を経て、本プロジェクトの追加・見直しが行われたことから、新たな研究テーマの公募を行い1件を採択しました。
3.事業内容
【1】事業名
グリーンイノベーション基金事業/廃棄物・資源循環分野におけるカーボンニュートラル実現/高効率熱分解処理施設の大規模実証
【2】予算(NEDO支援規模)
71億円(上限額)
【3】期間
2026年度から2030年度(5年間)
【4】事業概要
採択済みのテーマにおいて開発中の廃棄物熱分解ガス化処理設備から生成される廃棄物由来の合成ガスを、特定の化学品原料製造(メタノールなど)に最適な原料ガスへ転換する技術を開発します。また、大規模スケールで、廃プラスチックから一般廃棄物までの広範な廃棄物から外部水素(H2)を使用せず化学品原料を製造する、全体最適化されたケミカルリサイクルシステムを開発します。
4.採択テーマ
採択テーマと実施予定先は、下記の実施予定先一覧と事業概要資料をご覧ください。
(別紙1)実施予定先一覧
(別紙2)事業概要資料
※上記「別紙1」および「別紙2」については、いずれも以下のURLよりご確認ください。
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101975.html
【注釈】
※1 グリーン成長戦略
日本政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」への挑戦を、経済と環境の好循環につなげるための産業政策として、2021年6月18日、経済産業省が関係省庁と連携して「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定しました。
※2 GX実現に向けた基本方針
ロシアによるウクライナ侵略以降、エネルギー安定供給の確保が世界的に大きな課題となる中、GX(グリーントランスフォーメーション)を通じて脱炭素、エネルギー安定供給、経済成長の三つを同時に実現するべく、2023年12月22日、経済産業省が関係省庁と連携して、「GX実現に向けた基本方針」を取りまとめました。
※3 グリーンイノベーション基金事業 特設サイト
グリーンイノベーション基金事業 特設サイト https://green-innovation.nedo.go.jp